凛音と紅蓮が俺の前にサッと立ちはだかり、剣を構えた。

──そなたが透胡の……

龍の低く重みのある声は、腹にまで重たく響く。

──勾玉を首に掛けよ

俺は言われるまま、ペンダントを首に掛けた。

龍は再び龍の形をした光となり、ペンダントトップの勾玉が、更に眩い光を放った。

龍の形をした光は、顎を広げ雄叫びを上げたかと思うと、青白い光が更に輝きを増し、俺の胸を目掛け突進してきた。

あっと目を閉じる。

胸をずしりとした衝撃が貫いたと同時に、全身がたぎるように熱くなった。

「王子──!」

凛音と紅蓮が俺の体を抱き抑える。

全身を切り裂かれるような痛みに、2人の腕を振りほどいた。

全身の痛みは更に増し、脳天を鈍器で思い切り殴られたような衝撃が走った瞬間、視界が歪み真っ暗になった。

凛音と紅蓮の呼ぶ声が遠くで聞こえた。