体が熱くて照れ臭くて、成果を報告した。

「凛音、無茶をさせたな」

王子はわたしを抱きしめたまま、わたしの背中をポンポンと撫でた。

「この式紙は風早氏のものですか」

「凛音、事を急くな。追っ手はもう居ないのだろう?」

紅蓮殿が辺りを見回しながら訊ねる。

「宿に着いてから話せばいいだろ『Guu-ーh』」

祥のお腹の音が盛大に聞こえた。

「腹が派手に鳴ったことだし、宿に急ごうぜ」

祥は腹が空きすぎて力が出ないと言いながらも、王子を背負って宿まで歩いてくれた。

祥は王子の体調を気遣って、なるだけ揺れないように慎重になっているようだった。

王子を背負ってからは、口数も極端にすくなくなった。

花琳の宿までは半刻ほどでたどり着いた。

「着きましたよ」

王子に声をかけたけれど返事はなかった。

「凛音、手続きを済ませて、部屋に寝床の用意をお願いしてくれ」