「えーーっ!? 凄かったんですよ。王子のご活躍。失神なさった後、いきなりムクリと起き上がられて、ものスゴい勢いで、身を翻して敵を薙ぎ倒しながら女王の間へ向かわれて、こうして……」

凛音は左手を真っ直ぐに上げた。

「手を翳して、光の柱を出現させたんです。その光が龍の形になって、敵の動きが全て止まったんです。時間が止まったみたいに。首謀者の玄燥氏は震え上がった姿のままで止まっている所を、王子が捕らえられたんですよ。王子は玄燥氏を捕らえられた後、崩れるように倒れ気を失われて……2日間、眠られたままだったんですよーっ!!」

凛音は半泣きしていた。

「いきなり力を使われて、体力が、まだお体が……侍医を呼んでまいります」

凛音は俺の両脇に手を入れ、俺の体を支えふんばりながら、ゆっくりと抱えて立ち上がった。

更にもうひと頑張りし、ベッドの上に座らせて、部屋を出た。