「お荷物にしかなっておらぬな」

俺は申し訳ないという気持ちを込める。

紅蓮は「元よりお体を治すための旅にございますから」と、俺を慰めた。

熱で火照る体が申しわけなさと情けなさで、更に熱くなっていく気がした。

「直に休処があるはずさ」

叔母上が俺の気持ちを察したように言うと、祥が食べたいものの名を一気にあげた。

「祥くん、そんなに食べたらお腹壊す」

「そんなヤワな腹してねえ」

「其方の胃袋は底なしだな……だが、旅の予算もあるし、民から貰った税金、血税だ。腹八分目に頼む」

祥は肩を落とし頂垂れ、元気なく首を縦に振った。

叔母上の言った通り半刻ほど歩くと茶屋があり、俺たちは体を休めて、腹を満たし喉を潤した。

茶屋で、俺たちの楽団演奏が噂になっている話を聞いた。