丸いドングリ眼で口をあんぐり開けたまま、俺を見つめている。

「呆けてないで早く答えよ」

「謀叛は収まりました。両陛下もご無事にございます」

凛音は落ちつきはらって答える。

「たばかっておるのか!」

俺は言いながら、凛音を押しのけベッドから降りたが、そのまま重心を崩し、体が傾いた。

「王子!!」

足に力が入らなかった。

咄嗟に、俺の体を支えた凛音の肩に捕まり、立ち上がろうとするのに全く立てない。

「ご無理をなさっては……あれほどの力を使われのですから」

何を話しているのか、さっぱり解らない。

「謀叛は収まったとか、力を使ったとか、さっきから何を話しておるのだ」

「本当に、何も覚えておられないのですか?」

「龍の形をした光が体を貫いた瞬間、切り裂かれるような痛みで気が遠くなった……あとは何も覚えておらぬ」