「朱雀があの様子だと他の四神も妙なことになっていなきゃいいけどね」

「瑞樹さま、葵くんはその辺りも察しているんでしょうか」

「恐らくね。朱雀とコンタクトしているだろうよ」

「身体の気が乱れているというのは、明王さまや四神も関係しているんでしょうか」

「関係ないとは言えないだろうね」

「お身体は大丈夫でしょうか?」

「紅蓮が急いで部屋に連れて行ったのは少しでも早く休ませたいからだろうね」

「……あっ」

王子の様子が気になり、部屋へ向かおうと荷物を抱えた。

「そっとしておいておやり。あんたにはくたびれたところを見せたくないだろうからね」

瑞樹さまから釘をさされ、自分自身の無力さを痛感した。

「わたし、なんの力にもなれないですね」

胸が締めつけられる。