「このくらい大丈夫だろ」と目で合図すると、凛音はキッと俺を見返し、演奏に食らいついてついてきた。
優しい笑顔も可愛いが、一生懸命の顔もなかなかいい。
演奏を続けていると、女将と仲居たちが顔を見合わせ始めた。
客間の戸が慌ただしく開く音、廊下を走ってくる足音が聞こえた。
何なんだと思いつつ曲を弾き終え、構えた楽器を下ろすと「やめないで」と、声が掛かった。
凛音、紅蓮、祥そして叔母上を見回し「いいか」と許可を得る。
叔母上が「1曲だけだよ」と、渋々答えた。
「葵くん、足は大丈夫?」
凛音に問われ、大丈夫だと答えようとした俺を祥がいきなり抱き上げ、肘のない座椅子に座らせた。
「松葉杖つくほど足を傷めてるヤツが無理してるんじゃねえよ」
昨晩の風呂上がり、紅蓮にマッサージをしてもらったおかげもあり、朝から足の具合は良かった。
優しい笑顔も可愛いが、一生懸命の顔もなかなかいい。
演奏を続けていると、女将と仲居たちが顔を見合わせ始めた。
客間の戸が慌ただしく開く音、廊下を走ってくる足音が聞こえた。
何なんだと思いつつ曲を弾き終え、構えた楽器を下ろすと「やめないで」と、声が掛かった。
凛音、紅蓮、祥そして叔母上を見回し「いいか」と許可を得る。
叔母上が「1曲だけだよ」と、渋々答えた。
「葵くん、足は大丈夫?」
凛音に問われ、大丈夫だと答えようとした俺を祥がいきなり抱き上げ、肘のない座椅子に座らせた。
「松葉杖つくほど足を傷めてるヤツが無理してるんじゃねえよ」
昨晩の風呂上がり、紅蓮にマッサージをしてもらったおかげもあり、朝から足の具合は良かった。