王子、月が綺麗ですね

だが、俺の心配をよそに大量の食べ物は全て、数10分で無くなった。

俺と凛音はおにぎり2つと焼き鳥3本ずつ、おやき饅頭1つを分けて食べ、満腹になった。

祥の食べっぷりは凄まじかった。

焼きそば2人前、おにぎり6個、焼き鳥15本、唐揚げ10個、おやき饅頭5個、たこ焼き30個など、飲み込んでいるのではないかレベルの速さで平らげた。

「お前の胃袋はどういう構造になっているんだ」

俺は側で見ているだけで気持ち悪くなりそうだった。

食べ物の包みを片付け、凛音と共に数分音合わせをし、演奏を始めた。

王族の嗜みとして習った楽器は数々あるが、1番しっくりするのはヴァイオリンで、凛音も俺と共に習った。

幼い頃は手も小さく、互いに分数ヴァイオリンで練習をした。

凛音は「凛音の指はヴィオラに向いている」と講師に勧められ、数年前からヴィオラを弾いている。