「それでは、この後用事があるのでこれで失礼します」



「はい。ありがとうございました」



愛実さんが去っていく。


その姿を那月さんの分まで見ていた。



「愛実さん、可哀想だよね…あんなにいい人なのに…」



那月さんが大切にする理由が分かる。


でも世の中にはこんな理不尽なことがたくさんある。



「何で悲しいことって無くならないんだろう…」



私は一生解決しないことを、ただひたすらに考えていた。