私の名前は、田中加奈子。
今年、高校受験を控えた中学3年生だ。
いつまでたっても終らない宿題と戦うため、そして、この暑さから逃れるため、親友の玉木リカと市立図書館に来たものの、

《修理中》

と書かれた紙が張ってあるクーラーに、二人して肩を落とした。
学校の図書館に行こうとしたが、

「加奈子。学校の図書館ってリフォーム中じゃなかったっけ?」
「………マジですか!?」

仕方なく、至急準備されたであろう扇風機の前に陣取り、数学のプリントを終わらせようと奮闘していた。