そうだった。

別に思い出しても、そこまで大切なことは無かったわね。


でも、驚いていた頭は冷めて来た。


「嫌よ」

一言、そう言った私に男は眉間にシワをよせる。

なんで貴方がそんな顔すんのよ。
私の方がその顔したいわよ。


「何故だ…」

男はまた、口を開く。

「何故って…

私は貴方のことを知らないし、
それに急に女になれって言われても困るでしょ
?」


と言い、男の顔を見ると不満そうな表情をしている。