でも、私にはその男が誰かなんて関係ないと思い教室に向かう。

私の教室に行くには男の前を通らなければならないけど、気にせず横切ろうと思った時

「…!!」

急に腕を掴んで来た。

掴まれた腕は痛くはないけど、驚く。


「…お前」

「は?
初対面の人にいきなりなんなの?」


いきなり、腕は掴まれるは
初対面なのに“お前”呼ばわりされるは…
本当に最悪な朝だわ。

イラついている事を隠しもしない
私は男を睨む。


「…!
おもしろい」


男は私の反応に一瞬だけ驚いたが
すぐに口角をあげた。


「は?」

もう、私には目の前の男が何を言っているのか理解できない。


グイッ……

掴まれた腕を男の方に引き寄せられ
男に壁ドン?みたいのをされた。


男の顔が近い…。

よく見ると男は恐しい位、顔が整っていた。


180㎝はありそうな長身
キラキラ輝いている少し長めの髪
髪とは反対に漆黒の瞳

鼻も口もバランスがいい。


モテそうな容姿ね。
そう思っていると男は口を開いた。

「俺の女になれ」

低いがとても聞き取りやすい声で言われたのだ。

??side【完】