いつもとは全く違う空気感の中試合は始まった。
観客の人数も桁違いだ。
試合が始まると俺は絶不調。
全く打てない。
クソォ。勝たなきゃならねー。
優真も一生懸命抑えてくれてる。
俺がこんなんじゃ話にならない。
しかし
9回だった。
ようやくチャンスが来たんだ。
サヨナラ勝ちのチャンスで俺に回ってきた。
クソォ手が震える。
楽しいけどよぉ。心底嫌になるわ。
今までの野球人生の中で一番逃げ出したい場面だった。でもそれと同時に、一番楽しいと感じた。
「打てーーーーーーー!!!!!」
そう聞こえたんだ。俺の耳にははっきり届いた。
なんかボールが止まって見える感覚。
バットが手にしっくりきて、体が勝手に動いた。
カキーーーン!!

