「おい!聞いているの!?」

背中を蹴り飛ばされた。
…………
痛くもない。
悲しくもない。

普通の人間ならば、悲しいだの、痛いだの、やめて欲しいだの、思うでしょうね。

でも、私にはなにも分からないのよ。

全て、無くしてしまったから。
今更失うものなんて、もう、ないのだから。

「ねぇ。」

「?」

「なんであなたは笑わないの?」