すると、空が優に何か耳打ちした。

って、それより私、空と喧嘩してるんだった。
急に意識しちゃって、プイっとそっぽを向いた。


すると優は、スタスタと1人教室を出てしまった。


「えっ、優!どこ行くの!」


私が優のことを追いかけようとすると、


パシッ


空に手をつかまれた。


「香那、来て。俺の話を聞いてほしい。」

「…う、うん。」


_優、大丈夫かな…


空に言われるがまま空き教室に向かった。


空の、優しい声は小さい頃からずっと変わらない。
この声が、私じゃなくて真理の名前を、これからずっと呼ぶんだよね。

そう思うと、途端に悲しくなって、涙が頬を伝った。