だって、真理は普通だった。 何も言わなかった。 いつも通り、おはようして。 いつも通り、また明日して。 大きく息を吐く。 落ち着け、私。 冷静になってもう一度考えてみると 涙がこぼれた。 駆け寄ってくれた優に私は 「ごめん。」と繰り返す。 ……空は浮かない顔のまま俯いている。 私を抱きしめる優の手は震えている。 ごめん、優。空は悪くないんだよ。 もちろん真理も…誰も悪くない。 でも…… 真理が教えてくれなかったことがショックで たまらなかった。