Be Girl-翼のゆくえ-

放課後。

結局そのような事故や事件は一切起こらなかった。

当然といえば当然の話なのだろうけど。

しかし、この後起こる事件というか事実は、私に深い衝撃を与える事になるのだけれど。


私はセイヤとの待ち合わせ場所であるハルカの家の最寄駅に一人で向かった。

ナナミにはこの事を黙っていたが、リンにはキチンと話をしておいた。

リンは特に何も言わず、改札を入った所でこの日は別れた。


駅に着くと、壁にもたれてセイヤは誰かと電話で話をしていた。

初めてハッキリと見た彼の表情は、いかにも頭の良さそうな色白の美少年で、サラサラの茶色が混じった髪の毛が駅の地下から吹き上がってくる風になびいていた。

「こんにちは」

セイヤが電話を切るのを待って、私は横から声をかけた。