Be Girl－翼のゆくえ－

刻一刻と黒さを増していく冬の空は、自分に何かを問い掛けているようだ。

ぽつりと一つだけ現れた頼りない星が必死で輝こうとしている。

妙にその星が気になって、時間だけが過ぎていくこの場所で、それをずっと眺めていた。

意味なんて全くない。

寂しかった時や悲しい時、私はよく空を見上げてぼんやりとしている事があった。

一人でいるのは辛いけれど、それでも吸い込まれるような空の広さを感じている時だけは違った。
全てを忘れていられる瞬間……

けれど現実に戻るたびに、私は弱くなっていった。

何も変わらない現実を思い知り、無常に過ぎていく時間が私の心と体に重くのしかかる。

『一人ではどうする事もできなかったなぁ……』

私は急にハッとなって、現実に引き戻された。

すると頭の中に、あの日海で４人で撮った写真が甦ってくる。

『…ハルカを助けなきゃ…！』

即座にケータイ電話を取り出すと、私はハルカに電話をかけていた。