Be Girl-翼のゆくえ-

「どうも。はじめまして」

ナナミはいつものように無感情に挨拶をし、カズオは緊張気味に

「ど、どうも。よ、よろしく」

と返事を返した。

このままでは話が先に進まないと思ったナナミは、

「先にシャワー浴びてきちゃいますね」

と言って、バスルームに向かった。

いつもより入念にシャワーを浴びるナナミ。

何故か自分の素の匂いを敏感に感じ取られるような気がして、そうせずにはいられなかった。

シャワーを浴びて部屋に戻ると、カズオはナナミがバスルームに入る前の状態のまま固まっていた。

その姿には一瞬驚かされたが、思わずナナミは笑ってしまった。

「カズオさん?大丈夫ですか?シャワー浴びてきてくださいよ」

「う、うん。わかった」

そう言って相変わらず挙動不審なカズオは、バスルームに消えた。