Be Girl－翼のゆくえ－

明け方まで働き、夕方になると仕事に出て行く母親。

二人で過ごす時間はほとんど無く、ナナミは部屋に一人でいる事が多かった。

それでもナナミは明るく、家の外に一歩出れば人が集まってくるような人気者だった。

小さな頃から、自分はそうしておかないといけないという事を理解していたのかもしれない。

それと同時に、自分は他の友達と違って、特別である事を意識し始めていた。

小学生になり、学年があがっていくにつれ、ナナミは少しずつ無口になっていった。

これまで明るく活発だったナナミ。

成長していくにつれ、世の中の色々な世界を見て、理解するようになってきた。

学校から家に戻る……
知らない男と裸で抱き合っている母親。

怖そうな男達が家の玄関前で叫んでいたり。
ヒドイ時にはその男達に車に乗せられ、３日間軟禁された事もあった。

何故自分がそんな目に遭っているのか。

状況を理解するにつれ、ナナミは笑う事も泣く事も無くなった。