その日の帰り道。
私達は重い足取りで駅までの道を歩いていた。
ナナミがバイトを休むという電話をバイト先にしたのを除けば、誰も一言も言葉を発していない。
それぞれが何かを考えているのか、ぼんやりとした表情のまま固まっている。
改札に定期券を通し、自分の乗る電車が来るホームにそれぞれ足を進める。
その時突然、ナナミが足を止めた。
「ねぇ」
ナナミのその一言で、私達は180度体を回転させた。
「…私達は何があっても友達だよね?」
突然口を開いたナナミの言葉は重く、私はリンと顔を見合わせた。
「…当たり前じゃん!ナナミは大事な友達だって。ねぇ、ミサキ」
慌てたようにリンが言った。
私はふと、夏休みに行った海の事を思い出していた。
(「今までごめん。ミサキ。ミサキは大事な友達だよ。今日ようやくそれがわかった」)
あの時の、ナナミの言葉が蘇って来る……
私は自分でも驚くほど自然な笑顔になり、ただコクリと深く頷いた。
ナナミのブラウンの瞳は険しい目つきをしていたが、私を見つめるその目が急に優しさを帯びてきた。
私達は重い足取りで駅までの道を歩いていた。
ナナミがバイトを休むという電話をバイト先にしたのを除けば、誰も一言も言葉を発していない。
それぞれが何かを考えているのか、ぼんやりとした表情のまま固まっている。
改札に定期券を通し、自分の乗る電車が来るホームにそれぞれ足を進める。
その時突然、ナナミが足を止めた。
「ねぇ」
ナナミのその一言で、私達は180度体を回転させた。
「…私達は何があっても友達だよね?」
突然口を開いたナナミの言葉は重く、私はリンと顔を見合わせた。
「…当たり前じゃん!ナナミは大事な友達だって。ねぇ、ミサキ」
慌てたようにリンが言った。
私はふと、夏休みに行った海の事を思い出していた。
(「今までごめん。ミサキ。ミサキは大事な友達だよ。今日ようやくそれがわかった」)
あの時の、ナナミの言葉が蘇って来る……
私は自分でも驚くほど自然な笑顔になり、ただコクリと深く頷いた。
ナナミのブラウンの瞳は険しい目つきをしていたが、私を見つめるその目が急に優しさを帯びてきた。
