Be Girl-翼のゆくえ-

「今からどうするの?」

私は恐る恐る聞いてみた。
ハルカは手を止めて、じっと私の目を見て微笑みながら言った。

「儀式だよ。私たちが本当の友達になるための」

ナナミとリンはまた互いに目を見合わせてクスクスと笑っている。

「じゃ、行こうか」

そうして私達は立ち上がり、店を後にした……




外はもう薄暗く、駅前広場の時計の針は午後6時30分をさしていた。
丁度2本の針が一番真下で重なり合う時間。
私も彼女達3人と重なり合えるのか……

ネオンに彩られている繁華街の中に、4人は何かに吸い寄せられるように歩いていく。

他人と肩と肩がぶつかりそうなほど込み合う週末の夜。
闇が濃くなり、点在する光が際立つほどに、人は群がる。

人ごみをかき分け、光を避けるように薄暗い路地に入る。
地下へと続くライブハウス。
原色に近いピンクやブルーで統一されたラブホテル。

欲望や妄想のはけ口が密集しているこの場所……
行き交う人は少なく、歩く男女の距離は限りなく近い。

たった一本道を折れるだけで、世界はここまで変わるのだ。