Be Girl-翼のゆくえ-

そしてこの日もハルカは不良グループの男達を引き連れて、ユキを散々イジメていった。

誰もそれを止める事はできず、ただ呆然と立ち尽くしている者、見て見ぬフリをする者、教室からコッソリ出て行く者の他には誰もいなかった……




「リン!ミサキ!ちょっと来て!」

放課後、いつも真っ直ぐ学校からバイト先に向かうはずのナナミが、息を切らしながら私達の所にやってきた。

ナナミはこの日、午後の授業を体調不良で休み、保健室にいた。

「ピョン吉の事なんだけど…」

真剣な表情で語り始めるナナミを見て、私は息を呑んだ。

と同時に、嫌な予感がしていた。

ユキはこの日、ナナミと同じように午後の授業を全て休んでいた。

これまで一度も授業を休んだりした事のないユキの事であるから、きっとハルカが何らかの形で関っていると察するのは容易だった。

ナナミは話を続けた。