Be Girl-翼のゆくえ-

高校最後の夏は、こうしてアッという間に過ぎた。

季節が夏から秋に変わるその時に、私達の毎日も大きく変化して行った。

ナナミは免許を取った後、バイト三昧日々を過ごしていた。

放課後はすぐに学校を飛び出し、バイト先に向かうということを繰り返していた。

ユキに対するイジメに、ナナミは参加しなくなった。

朝はギリギリに学校にやってきて、休み時間は屋上で電話をしたり、1人保健室で昼寝をしに行ったりと、別行動を取ることが増えていった。

変わらず続くユキへの執拗なイジメ。

けれどもナナミのその行動が影響したのか、クラスの女子生徒もイジメに加担する者が1人2人といなくなっていった。

私とリンも例外では無く、イジメてもイジメても何の反応も無い相手への興味が薄れていった。

しかし、ハルカは違った。

私達のそんな様子を知りながらも、イジメを辞める気配は無かった。

私達を責めたり、イジメを強要したりはしなくなった。

私たちとハルカの距離が大きくなっていった……

やがて、ハルカは私達と別行動を取るようになっていく……