Be Girl-翼のゆくえ-

肌に絡みつき身をとろけさせるような昼間の空気とは違い、夜の風は私達を無視するかのようにどこか澄み切っていて、ほんの少し肌寒くも感じる。

そこは等間隔に街灯が並んでいて、明るい場所だった。

人は少なく、静かなその場所は、波の音がよく聞こえた。

その後、私達は時間の感覚を失い、この瞬間がずっと続くかのように思っていた。

けれどその時間は限られている事は言うまでもなくて、その時間はアッという間に過ぎ去っていった。

海水でビショビショに濡れて、少し冷えている私の体が覚えていたものは、その限られた時間の中でずっと笑っていたという事だけだった。

けれどそれだけで十分だったし、それ以上のものはいらないと思った。

重い瞼を閉じ、今誰の腕の中にいるのかもわからないまま、もう一度そのまま眠りについた……