Be Girl-翼のゆくえ-

季節は夏を迎えていた。

期末テストを前日に控えたこの日、帰り道でナナミがボソッと呟く。

「もう辞めにしない?イジメ……」

私もリンも、本心は同じだった。

でも、良心が痛むわけではない。

ただあまりに単純な事の繰り返しに飽き、意味を見失っていただけだ。


ハルカのユキに対する反応はむしろ意外だった。

烈火の如く怒り出すと思ったら、俯き黙り込む。

しかしながら昔の私へのイジメとは違い、何か酷いことを考えているようで私は嫌な予感がした……

その後、誰も口を開く者がいないまま、駅の改札を抜け、そこで別れて帰った。
同じ電車に乗ったリンと私の間にも、一切会話は無かった。

恐らくリンも感じていたはずである。

これから、起きてはならない事件が起こりそうな予感を。

そしてその予感は的中し、さらに大きな事件に発展していくことになるのだった…