Be Girl-翼のゆくえ-

日課のようになっている嫌がらせメールも手馴れたものになってきた。

時折アドレスを変更したり、自分で内容を変えて送ったり。

そこには良くも悪くも感情は無く、ただ機械的に空いた時間に送信を続けるだけ。

それによってユキがどんな気分になるかなんて、これっぽっちも考える事は無かった。

しかしながら、ユキはイジメられているような素振りを一切見せなかった。

嫌がらせのメールを拒否することも、メアドを変えることもしようとしない。

毎日変わらない時間に登校して、机の上の落書きを拭取る。
捨てられた私物を取り出して自分の持ってきた袋に詰める。

そうして一時間目の授業の準備をする。

私はその光景を毎日ぼんやり見ていたが、時折昔の自分を重ね合わせて胸が痛んだ。

それでもその感覚はどんどん鈍くなっていく……