Be Girl-翼のゆくえ-

「マジあんたナメてんの?用事あるっつってんだろ!」

ハルカは今にも殴りかかりそうな勢いで叫んだ。

ユキはそんなハルカの目を睨み返し、口を開いた。

「私は別に、用事なんて無いんだけど!」

そう言ってハルカを押しのけると、また足を引きずりながら歩き始める。

顔を潰されたハルカが黙って返すはずもなかった。

ハルカはユキの後ろから髪の毛を掴み、そのまま力任せにユキの頭を壁にぶつけた。

ドンッ!という鈍い音に、教室も廊下も静まり返った。
ユキはそのまま廊下に倒れこんで、目に涙を溜めてハルカを睨みつけた。

それを見たハルカはさらに怒りを露わにし、ユキの不自由な左膝を思いっきり何度も踏みつけた。

「てめぇ!マジ殺してやるよ!」

これはマズイと思った私達3人や他の男子生徒数人がハルカを止めに入る。

ハルカの怒りは収まりそうもない。

息を荒げながら、苦悶の表情を浮かべるユキに更に向かっていこうとする……