Be Girl-翼のゆくえ-

一時間目の授業中。
ハルカとナナミは率先してクラスの女子全員に手紙を回した。

『ピョン吉を全員でムシ♪』

どの顔も手紙を読み終えると、2人の方を向いてOKサインを出したり、目で合図を送った。

誰一人としてそれに反対する人間はいなかった。

今回のターゲットであるユキは、そんな事を知る由も無く、真剣な表情でノートに黒板の字を書き写していた。

授業が終わり、休み時間。
何となくいつもと違う空気が教室内に漂っていた。

それでもいつものようにユキは次の授業の予習をしている。

私達4人は教室の一番後ろの廊下側の席で、ユキの話をしていた。

ハルカもナナミもリンも、ユキにわざと聞こえるように、『ゴミ』だとか『ブサイク』だとか、そんな言葉を連呼している。

それでもユキは何の反応もしない。
まるで何も聞こえないかのように、丸まった背中をこちらに向けている。

イジメが続く休み時間は午後まで続いた。

放課後、事件は起こる。