Be Girl-翼のゆくえ-

「…ごめん…」

背を向けたまま、リンはもう一度謝った。

「大丈夫だから。こっちこそ驚かせてごめん」

今度はリンを諭すように言った。

「そうじゃなくて…」

リンはその後言葉を続ける。

「今までの事全てを、ミサキに謝りたい…。本当に酷い事、辛い思いをさせてごめん…」

胸が締め付けられる気がした。

「今さらだけど、こんな事したくてやったんじゃない。あの2人…ハルカとナナミには逆らえなかったの」

リンはさらに話し続けた。

「自分がそうされたらイヤだと思った。もし断ったら私がいじめられるんじゃないかって。今日この瞬間まで、後ろめたい気持ちはあったの。でも…楽しんでる自分もいた。それでもいつか、ミサキには謝ろうと思ってた」

リンは起き上がり、真っ直ぐこちらを見た。

「ごめん…もう…あんな事は二度としないから」

その言葉にウソは無かったのだろう。

思わず俯きそうになったが、私を真っ直ぐ見つめるリンから目を離すことができなかった。