Be Girl-翼のゆくえ-

ハルカが学校に来なくなってしばらく経った頃。

教室に平穏な日々が戻り始めていた頃。

学校が終わると、毎日通っている塾に真っ直ぐ向かう。

その通り道にあるコンビニで、飲み物やちょっとしたご飯を買う。

塾の裏にある小さな公園でそれを食べるのがユキの日課である。

ユキにとってその時間は貴重で、唯一心が安らぐ瞬間だった。
注意しないと気付かないような日々。

少しずつ変化する風景。

あのショッキングな事件で負ったキズが、一日一日小さくなっていくのを実感することができた。

決して無くなるものでは無いけれど……


その日も同じように、コンビニでパンと紅茶を買って、公園に向かった。

いつもは誰もいないその公園に、見覚えのある顔が数人、なにやら話をしている。