翔さんと出会ったのは私の5つ年上の従姉妹の紹介だった。



従姉妹の彼氏の友達。



180cmを超える長身と柔らかな物腰。


切れ長の目に通った鼻筋。

一言で彼を言い表すなら『紳士』。



一目見て彼に惹かれてしまった。


共通の話題で盛り上がって、連絡先を交換する仲になるまでにそんなに時間はかからなかった。



翔さんから連絡が来るたびに私の胸は高鳴った。

それだけで世界が薔薇色になり、キラキラと輝くのだ。

でも、翔さんの話をすると友達からは


「やめておいた方がいいって。みゆりのこと大切にしてくれる人がいるって!!」

そうやって私の心配をして止めた。



高校生と社会人。


絶対に叶わない恋だって分かっていた。


諦めようって自分にも言い聞かせた。


だけど、どうしようもないくらい好きになっていた。


翔さんとのLINEが唯一の癒しだった。


好かれたくて私は一生懸命だった。


仕事をしているのを邪魔したくなくて、仕事中にはLINEを送らなかったし、帰宅してひと息ついているであろう時間にメッセージを送るようにしていた。



そんな私の精一杯の気遣いもきっと彼には届かなかっただろうって今では思う。