「梨華が18才……………?」





茉莉が息をのむ声が聞こえる。





理事長は振り返ることなく扉の近くにただ立っている。






「梨華ちゃんが転任してきた日、教室で倒れちゃったんです。

俺は家に送ろうと思って、なんか住所書いてあるもんないか、カバンの中を勝手に探した。





そん時見つけたんです。




18才と記されている保険証を。





でも俺は別にいいと思った。何才だって梨華ちゃんの真剣な気持ちは本物だって思えたから。




でもずっと疑問だったんです。






なんで18才なのにこの学校に教師としていれるのか。」





理事長はゆっくりと視線を俺に合わせる。



その表情からは、焦りや動揺は感じられなくて、むしろ俺が真実を知っていることが当然かのように落ち着いていた。