「やっぱヤバいか…。」
梨華と2人になった帰り道、無意識に声に出してしまった。
「もう本当すごいってば!」
あ、いやそうじゃなくて。
「そうじゃなくてさ、これで喜んでること自体がやべぇなって。」
今の俺の目標はただ卒業するだけじゃねぇし。
…まだまだだ。
「あと4ヶ月でもっともっとやんねぇと。」
高1の春からの2年間分、完璧に遅れをとってる俺はひと夏でどうにかなるものじゃないことはわかってる。
でもどうしても
梨華に証明してぇから。
俺は変わったんだって。
「んふふふ…。」
…ん?ここ笑うとこだっけ?
「えへへへ。」
梨華はにまにま笑って俺を見上げてる。
「何で笑ってんの?」
「だって嬉しいんだもん。
リュウ自分じゃ気づいてないかもだけど、すごっいキラキラしてるよ。」
気づいてないのはお前だろ?
俺が今こうやって生きてんのは、そのキラキラは、お前のおかげだってこと。
「それはお前だから。」
「へ?」
間抜けな声を出して顔を曇らせる梨華の後頭部を押さえる。
顔を赤く染め始めた梨華の唇にキスを落とす。
「ここ道路っ!!」
道路って…。
人いねぇし…。
顔を真っ赤にした梨華にもう一度おでこにキスをしてからまた歩き出す。
『バシッ!!!』
いってー…。
背中叩くんならそんなリンゴみたいな顔すんじゃねぇっつの!


