私は岩城先生が発する言葉をすべて暗記するかのように頭の中で繰り返した。
それはリュウのためとかではなくて
むしろ自分のためのような気さえした。
「私の妻は、由香里は結婚する前から重い心臓病を患っていました。
原因が詳しく判明していない状態で、本格的な治療も出来ずにいました。
もちろん私はそれでも彼女との結婚を望みましたが、彼女の父が教育委員会の会長で、体裁のために結婚を決めたところもあったんです。
由香里の父はすぐに教師であった私を待遇し、教育委員会の幹部へ就任させました。
言い訳でしかないのですが、それから私は家を空けることが多くなったんです。
由香里の心臓病が悪化してるのに気づかないほどに…」
もしかして…
リュウはとんでもない勘違いをしてる…?
きっと、由香里さんはリュウのお母さんは
リュウが思っているような死を迎えたんじゃない。


