チューリップ



「お願い止まって!!」


すぐに足を止めることができずにいると再び叫び声が響いた。




「はぁっはぁっ…!!よかった…間に合って…。」


俺の後ろには息を切らして前屈みになっている及川が立っていた。


及川……?



「朝、終業式で貧血で倒れた子に付き添って保健室に行ったとき、花壇で川崎君を見たんだ。



急いで向かったんだけど、もういなくて…。


変わりに…涙みたいなものが花壇に落ちてたよ…。」


涙…?


記憶はないけど、でもそれは間違いなく俺の涙だ。



俺は何も言えず及川が話を続けるのを待った。




「川崎君に…渡したいものがあるんだ。」




そう言って俺に差し出されたのは


真っ白な封筒に入っている手紙。




その真ん中には見覚えのある字で
“リュウへ”
と書かれていた。