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「瑠々亜、ごめんっ!」

そう言ってなずなは謝ってきた。

別にいいわよ、と私は返事を返す。

今回は、前みたいになずなが遅れることはなかったから許した。

―そう、今日は市で一番大きなお祭り、花火大会なのだ。

なずなは紺に紅の蝶が映えるキレイな浴衣を着ていた。

私は、空色に金魚が泳いでいる。

まるで、空に金魚が浮かんでるみたいで私は好きだけど、なずなには笑われた。

"子供っぽい"って。

何時も年上に間違われるのは私なのにね。

はいはい、私は笑いながら適当になずなをあしらった。