『なんかホテルのフロントから伝言で
社長が大切な話があるから至急に
こちらに来いってさ。
私、急いで行った方がいいよね?』

『えっ?フロントから?
何でまた?』

『分からない。でも至急に来いと言われた以上
行かないと……。
支度しなくちゃあ……』

私は、慌ててスーツに着替えようとする。

するとセレナは、
黙って考えだすと私を止めてくる。

『ねぇ、それっておかしくない?
何でフロントから?普通そういうのって
社長が自ら電話してこない?
それか社長が無理でも秘書とかさ』

セレナが怪しむように言ってきた。

あ、そう言われれば……確かに!?

社長か秘書の西野さんか
どちらかが電話して来るだろう。

えっ……じゃあ何で?

『怪しいわね。それ……罠ではない?
あなたを呼び寄せるための』

その言葉を聞いたとき
心臓がドキッとする。

まさか……?

すると今度は、
インターホンが鳴った。

こんな時間に誰かしら?

セレナが代わりにインターホンに出る。

こんな時間に誰かしら?
まさか、また美千香さんの差し金……?

何だか不安になってくる。