後ろ姿の社長を見ていた。

あ、そういえば……気になるといえば

『社長って……。
フランス人の血が入っているのですよね?』

祖母がフランス人で、
社長の目は、私やキティと同じ青い目。
綺麗な色をしている。

『えぇ、そうよ。彼は、クォーターなの。
母親がハーフで、父親が日本人よ。
母の血が濃いのね』

『そうなのですか……』

あの目に見られたら時が止まるような気持ちになる。
ドキドキして胸が張り裂けそうだ。

すると社長がこちらを向いた。

ドキッ……とさらに心臓が高鳴った。

『ケイティ。独り言を言ってないで
さっさとこっちに来い。
会議に間に合わなくなるぞ!』

『えっ?は、はい。すみません』

慌てて返事する。

えっ?
独り言って……キティと喋っていたのに。

だが、すぐにハッとする。

そうだ!
キティが話せるなんて周りは知らない。

他の人から見たらただの独り言だ。

『ケイティ。ごめんなさい。』

キティが謝ってくる。

『ううん。平気です』