あぁ、驚いたわ。
こんなのだと心臓が持たないわ。

まだドキドキと高鳴っていた。

『あぁ、すまない。
あまりにもキティに似ていたから……つい』

フランス語で謝罪をしてくれたが
顔がやたらに近い……。

『いえ……大丈夫です』

社長との距離感が掴めないでいた。

「彩人。せっかくケイティが
お茶を淹れてくれたのだから飲んであげたら?」

キティが助け船を出してくれた。

「うむ。そうだな……」

そう言うと席に座ってくれる。

ふぅっ……助かったわ。

私は、ハァッ……とため息を吐くと
コーヒーを淹れて出した。

社長は、コーヒーを飲んでくれた。
するとキティが私に

「ケイティ。さっきの企画書の説明してあげて。
ボツのも含めてね」

企画書の説明を言ってくる。

あ、そうだったわ!!

『は、はい。えっと……』

私は、慌ててキティが言ったこと報告する。
フランス語で……。

社長は、コーヒーを飲みながらも
黙って聞いていてくれた。
説明が終わると

『うむ。随分と俺が居ない間に
打ち解けたみたいだな。
“ケイティ”とキティは、呼んでいるのか?』

納得したように言ってきた。

『えぇ、可愛い愛称でしょ?
私と同じキティだとややこしいと思って。
彼女は、とても優秀よ!
これから一緒にやって行くのが楽しみだわ』

フフッと嬉しそうに言うキティ。

『そうか。なら俺もケイティと呼ぶとしよう』