私……どうしちゃったのだろう?

『さぁ、ケイティ。
次よ、次。他の企画書を見せてちょうだい』

『あ、は、はい。』

私は、慌てて別の企画書を彼女に見せた。

それからも彼女……キティの指示に従い
秘書の仕事をする。

彼女の話だと私の仕事は、こうやって
書類を見せたりパソコンに入力すること。

そして動けない彼女のために移動する時の
サポートぐらいらしい。

思ったより簡単だ。
それなら私にも出来る。

何より驚いたのは、
彼女は、働き者で指示も的確だった。

確かに副社長として向いているかもしれない。
凄い……いろんな意味で。

私は、感心させられてしまった。

それから数時間後。

『ケイティ。そろそろ彩人が帰って来るわ。
コーヒーでも淹れて差し上げて』

『は、はい。分かりました』

私は、すっかり彼女に慣れてしまっていた。
慣れって怖いものだ。

コーヒーの支度をしていると
社長が戻ってきた。

キティの言う通りだわ!?

「お帰りなさい。彩人」

キティがそう言うと社長は、迷わずに
彼女のところに向かい抱き締めた。

「あぁ、キティ。
君に会えないのが……こんなに寂しいだなんて」