それから屯所に帰って、一件落着となった。
トシにはこってりとしぼられたけど、勇は困ったように優しく笑ってくれた。
その日から数日が過ぎようとしていたある日のことだった。
いつものように仕事の無い私は縁側に腰掛けていた。
ノアは私の膝で気持ちよく日向ぼっこしている。
横から人が近づいてくる気配がして、そちらを向くと意外な人物だった。
「ちょっといいかしら?」
釣り上げられた目に皺の寄った眉間。
不機嫌そうな彼女は、私の返事を聞く前に間を開けて隣に座った。
あの一件があってから、彼女は必要以上に部屋から出なくなった。
久しぶりに出てきたと思ったら、私のところに来るとは天変地異でも起こるのではないだろうか。
「……元々私はあなたを見に来たのよ。
左之助様と出会ったのは小さな頃。
まだ私が6歳だった頃」
彼女はポツリポツリと左之との出会いを話し始めた。

