私を見下すこの人は駄々をこねる子供のように見えていた。
子供のまま大人になってしまった人だと思っていた。
私の認識は甘かったのだと、私の油断がここに来るまでに至ったのだという後悔がのしかかる。
「貴方は自主的に出たのよ。
どっちにしても貴方に帰る家はもう無いのよ、香月雨さん」
クスクスと笑う彼女をぼんやりする視界で、睨みつけていた。
「無断外出はこれで何度目?
信用どころか、これで貴方を許せば新選組の面子に関わるわ。
戻ってもどのみち規範に基づいて切腹ね」
楽しそうな彼女の言う通りだ。
前にも無断外出をしたことがある。
その上命令違反もだ。
今度ばかりは私を許すことは出来ないだろう。
「土方さんにはもう言ってある」という言葉を鵜呑みにした私の甘さ。
肩で息をしながら、油断と甘さに後悔を募らせる。

