平助は自分の眉間を指さした。



「ここにずっと皺寄ってたからさ」



ニッと笑った彼は私を安心させる。




「あのさ、雨」



スッと真剣な表情に切り替わった平助に私も表情を変える。



「俺さ、……雨が笑ってないと嫌だ」



何かを言いかけたけど、やめて別の言葉を言ったようにも見えた。



でも平助の言葉は単純に嬉しかった。




「…ありがとう」



いっぱいになる胸を片手で握りしめる。



……今はまだ、この甘さに浸っていたい。




屯所に着いて、平助はトシに報告に向かう。



私は自分の部屋で、刀や暗器を置いた。



多少は身につけるが、最近は部屋に置いておくことが多くなった。