拾われた猫。Ⅱ




「…私の知らぬ間の騒ぎはどういう事なのか」



女王は赤木を鋭く見る。



雨すらも気迫に気圧されるかのように、刺すような雨が嘘のように止み始めた。




沈黙の中、力の限り拳を握り締める赤木。




物言わぬ家臣達に女王は少しの間目を閉じる。


その姿に、結はそっと静かな声を挙げる。




「赤木、女王陛下がそなたに下した命を自身の口から申してみよ」




結の言葉に平伏したままの新撰組の彼らの目が鋭くなる。



赤木は垂れた頭を上げることなく、無言を貫いていた。




「どうした。

結の言葉では足りぬと言うのならば、私の口からそなたに問うた方がいいのか?」




静かにゆっくりと上がった瞼からは冷ややかに見下す瞳が覗く。




ギリッと奥歯を噛む音は彼女達の耳に届いたか否か。


一呼吸置いて、話し始めた。




「…女王陛下からの命は〝香月雨〟なる赤髪の少女を御前にお連れすることでございます」

「私の記憶もそう命を下したと言っておる。

それではこの騒ぎはどう説明する?」





赤木の言葉に動揺が走る中、女王陛下は尚も目を離さず、疑問を問いかけた。