動けない自分が咄嗟に下した判断だった。
しかし、新撰組の彼らが彼女を目にした時にはもう彼らは遠のいていっている。
兵士達も少なくなったとはいえ、まだ数がいる彼らには追いかける事も出来ない。
「待て!!!!
その女を返せ!!!!!」
別の場所でも怒号が轟いたが、そんなことはお構い無しの様子。
「くそっ!!」
槍で兵士達を払い、道ができたその時だった。
「そこまでよ」
赤木の方から響いた凛とした声に、騒々しい金属音たちが一斉に静まり返る。
「女…王陛下…!!」
たじろぐ赤木をじっと睨みつける女王。
彼女が乗っている木の椅子の車輪がカラカラと音を立てて前に押された。
「女王陛下の御前だ!
頭が高い!」
椅子を押す彼女の声により、その場の全員が平伏す。
「え、女王様?!」
「何やってんだ、平助!」
遅れて反応する彼に原田左之助が頭を押さえつける。
「えっ?
えっ?
なんでそんな大物が?」
ボソボソと困惑する彼の頭に拳を入れる永倉新八が、「いいから黙ってろ!」と付け加えた。

