美華は眉を下げつつも彼から視線を外し、気を失っている彼女の体を支えながら立つ。
が、翔によって彼女の体を奪われる。
「よっ…と」
言葉の割に軽々と香月雨を横抱きにする。
もう一度美華に視線を戻し、「行きましょ」と笑いかける。
「翔!」
近藤勲は行動の意味を理解出来ず、困惑の表情を見せる。
「彼女をどうするつもりなんだ。
それに君は…君達は一体…」
「近藤さん、悪いようにはしないっすから、気にしないで下さい」
言葉を遮り、疑問の解消に繋がらない返答を残し、二人は一葉の元へ向かう。
「待て!」と体に力を入れるが、痛みとともに力が抜けていく。
「近藤さん!」
それを見ていた沖田総司はすぐに駆け寄り、体を支える。
「…総司。
翔が〝撤収〟と言っていた。
内容は分からんが、彼女を連れていく気だ」
その言葉にハッと一葉に振り向く。
彼と目が合った瞬間、駆け寄ろうと足に力を入れる。
「ぐっ…!」
近藤勲の小さな悲鳴に迷いが生じた時だった。
一葉は沖田総司から視線を外し、「帰るぞ」と一言告げる。
「佐之さん!
土方さん!!
雨ちゃんが!!!」

