拾われた猫。Ⅱ




美華は眉を下げつつも彼から視線を外し、気を失っている彼女の体を支えながら立つ。


が、翔によって彼女の体を奪われる。



「よっ…と」


言葉の割に軽々と香月雨を横抱きにする。


もう一度美華に視線を戻し、「行きましょ」と笑いかける。




「翔!」



近藤勲は行動の意味を理解出来ず、困惑の表情を見せる。


「彼女をどうするつもりなんだ。

それに君は…君達は一体…」


「近藤さん、悪いようにはしないっすから、気にしないで下さい」




言葉を遮り、疑問の解消に繋がらない返答を残し、二人は一葉の元へ向かう。




「待て!」と体に力を入れるが、痛みとともに力が抜けていく。




「近藤さん!」

それを見ていた沖田総司はすぐに駆け寄り、体を支える。



「…総司。

翔が〝撤収〟と言っていた。

内容は分からんが、彼女を連れていく気だ」




その言葉にハッと一葉に振り向く。


彼と目が合った瞬間、駆け寄ろうと足に力を入れる。



「ぐっ…!」


近藤勲の小さな悲鳴に迷いが生じた時だった。



一葉は沖田総司から視線を外し、「帰るぞ」と一言告げる。





「佐之さん!

土方さん!!

雨ちゃんが!!!」