拾われた猫。Ⅱ

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たった二人の男の介入により、優劣が逆転した戦い。


苛立ちを隠せず、腕組みをした両手をぎりぎりと握りしめていた女。


未だにおろおろとどうしようもない上官達に更に怒りを含む。





兵士達を捌きながらも、その様子をほくそ笑む一葉。



「一葉さん、顔に出ちゃってるっすよ。

性格ひん曲がってるとこも尊敬っす」

「…お前から始末してもいいんだが」

「俺めちゃくちゃ働いてんすから、軽口くらい大目に見て欲しいっす〜!」

「本調子じゃない奴にやられて伸びてりゃ世話ねぇな」




口を金魚のように開閉し、言葉も出ない翔は効果音がついたかのように落ち込み始める。

だが、何かを察したように「そろそろっすね」と口にする。




それを合図に一葉は彼女達をちらりと確認する。


一つ溜息を小さく落とし、翔に顎で彼女達を指す。




翔はコクリと頷くと、美華に素早く近づく。




「美華さん、撤収っす」



ニッコリと笑う彼に美華は近藤勲の方をチラリと見る。



傷だらけの体が雨に打たれて、先程より動きづらくなったのか、片膝を着いたまま怪訝そうに彼らの様子を見ていた。