ここ3日間はトシ代わりに私が巡回に行っていた。
書類だけならともかく、菊さんのこともあって、今は雁字搦めのように公務に縛られている。
少しでも疲れが取れればいいと思って、お茶を出したり、おにぎりを出したりしてる。
少し作りすぎてもトシはいつの間にか全部食べてくれている。
それが嬉しくて持っていってるというのも一理ある。
「おーい、雨!
帰ろうぜ!」
平助の明るい声を合図に屯所に向かう。
あれから翔には何も聞けていない。
聞きづらいとか、そういう気持ちはない。
ただ……聞きたくない。
私の考えていることに間違えが無かったとしたら、翔は元の世界に戻る手がかりになる。
万が一……、〝答え〟になってしまったら……。