たくさんの雨が彼らの傷口を流していく。


止まることのない血と兵士。



フラフラの足で私達は立っていた。

誰一人欠けることなく、殺すことなく。



けれど全然終わらない。

止まっていくのは口数だけ。


いつもと違って結ばれていない長い髪は、濡れた身体に張り付いていた。



動かなければいけないのに、刀が迫ってくるのは見えているのに、足が動かない。



「雨!!!!」


大きな声で私を引き寄せ、目の前の兵士を沈めたのは佐之だった。


「ごめん…」

「いや、お互い様だ」



一瞬ポンッと私の頭を撫で、私の前に立った。


私の前を戦う彼らの背中。

体力が切れ切れな私。


あぁ…、足でまといになってしまった…。

落ち込む時間も休む時間も無いのに、体が重たい。



「…めちゃん、雨ちゃん!!」



ボーッとする頭を引き戻したのは、美華さんと一緒にいるはずの総司。